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『農園』(のうえん、)はジョアン・ミロが1921年から1922年にかけて制作した油彩画。ミロの初期の代表作であり〔高階ほか『25人の画家〈第24巻〉ミロ』(1981) p.71〕、友人のヘミングウェイが買い上げたことでよく知られる〔『NHK世界美術館紀行』(2005) p.78〕。 == 解説 == この作品では、カタルーニャのモンロチの農家で見られる種々のモチーフが、写実的に描かれつつ画面上で再構成されている〔『NHK世界美術館紀行』(2005) p.77〕。そこには、対象に真摯に向き合うほど却って幻想の世界に入り込むミロの個性がよく現われている〔後藤『エルンスト、ミロ』(1971) p.95〕。ヘミングウェイは次のように語った。 これは、現実のスペインと空想のスペインが奇妙に結びつく『農園』の世界を巧みに言い当てている〔高階ほか『25人の画家〈第24巻〉ミロ』(1981) p.73〕。 ミロは「モンロチの農場に実際にあったものをすべてこの絵に描きこんだ」と言う〔乾『ダダとシュルレアリズム』(1996) p.178〕。しかしそこには二つの過程が存在する〔ライヤール『ミロ』(1992) p.58〕。一つは各々の事物の独立した存在感である〔。すなわち鶏小屋、バケツ、ジョウロ、トカゲ、…といった事物はいずれも個別の視点と縮尺によって克明な筆致で描かれ〔〔、それらは農家の生活感を確かに感じさせる〔アレ『ジョアン・ミロ』(1988) p.10〕。そしてもう一つは、それらの事物の考え抜かれた画面配置である〔。すなわちそれぞれの事物は、互いに呼応関係が生まれるよう数段に分かれた奥行き内に慎重に配置され〔〔、それによって画面内における存在意義(ブラックの言う「正当性」)が与えられた〔。結果として画面にある種の動きが生まれ〔、幻想的な一つの小宇宙が現出した〔〔。 『農園』は、それ以前の 4 年間にわたりミロが追求した「現実の描写」というテーマの延長上にある〔。すなわちこの作品は、ミロの写実絵画のひとつの到達点であり〔『キリコ、エルンスト、ミロ、モンドリアン、カンディンスキー』(1976) p.92〕、彼の形成期の総決算と言える〔乾『ダダとシュルレアリズム』(1996) p.179〕。この作品ののち、ミロはシュルレアリスムへの傾倒を強め〔今泉ら『西洋美術辞典』(1954) p.617〕、ディテールへの拘りはミロの作品から次第に消えていった〔アレ『ジョアン・ミロ』(1988) p.11〕。『農園』が世に知られるにつれ、多くの人が『農園』の画風へ戻るようミロに勧めたが、ミロがそれに従うことはなかった〔高階ほか『25人の画家〈第24巻〉ミロ』(1981) p.74〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「農園 (絵画)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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